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終末期の乳がん患者へのアロマ施術と              家族への香りのグリーフケア


終末期の乳がん患者58
歳のTさんは、

在宅での看取りを選択しました。

 

と言うのは、病院で抗ガン治療を受けましたが、

その治療効果は期待の反対であったからです。

 

Tさんのご家族は、ご主人と息子2人の4人家族です。

 

Tさんは、信頼している訪問看護ステーションの所長から

私の存在を聞き、施術を受けたいと希望されました。

 

Tさんの病状は、既に骨・肺・肝臓に転移があり、

死が間近にある状態で、

胸水と腹水の貯留、両下肢に軽度の浮腫がありました。

 

日常生活動作(ADL)は、何とかトイレに行けている状態でした。

 

20177月、初回訪問時の施術は、症状を加味して

セミファーラー位(やや上半身のベッドをあげた状態)で、

頭皮・デコルテ、両肩部、腹部と両下肢の施術をしました。

 

Tさんは、はっきりした性格で、

施術後に

「こんなに気持ちよくて楽になるの!17万円の抗癌剤よりいいわ」

と言い、週1回の施術を希望されました。

 

施術2回目、3回目と徐々に状態は悪化していきました。

 

施術3回目の時に、

Tさんは、「昨日が私の命日だと思ったの。それほど具合が悪かったの・・」と。施術が終わると、「落ち着いた、元気になった!」と、表情も明るくなり、

活気がもどり、よく話すようになりました。

 

しかし、病状は刻々と死が迫ってきていることがうかがえました。

少しでも施術を受けて、心身の緊張が和らぎ、

Tさんらしい最期の時を家族とともに過ごしてほしいと思いました。

 

Tさんの最期は、家族に見守られ、

苦痛もさほどなく穏やかに亡くなられました。

施術4回目予定日の2日前でした。

 

亡くなられた日に弔問にうかがいました。

Tさんはとっても小さくなっており、

お話をして下さったことが懐かしく思い出されました。

 

私は、施術をさせていただいた香りを

ご主人、特に2人の息子さんに香っていただきたいと思い、

ご主人にTさんのハンカチをもってきていただき、

真正ラベンダーとオレンジの精油をそのハンカチに垂らし、

ご主人に、「Tさんが好きだった香りで、

この香りでマッサージをさせて頂きました。」、と言って手渡しました。

 

ご主人は、ハンカチの香りを嗅ぎ、「いい香り」と言われた後、息子さん2人に香りの説明をして手渡しました。

 

息子さん達が、その香りを鼻元でていねいにじっくりとかいでいる姿は、

母親がこの香りでマッサージを受けたんだな・・と、

感じとるように嗅いでおられ、

その姿を見ていた私が感動を受けたほどでした。

 

香りは脳にダイレクトに働きかけます。

いつかこの香りに再会した時には、

ご家族はTさんのことを回想することでしょう。

ですから香りは、グリーフケアの役割を担うことができるのです。

 

 17年間、アロマの香りとともに、

大切な患者さんの死に出会ってきました。

よい香りは、人と人とを結びつけていくことができるように感じます。

 

2017813日  所澤いづみ

「ケアに役立つ高齢者および認知症高齢者へのアロマセラピー」セミナーを終えて

先日の研修セミナーを終えて、講師としての感想です。(コメディカルアカデミー主催) セミナーの参加者は、福祉職・介護職の方が2/3、看護師が1/3の割合であることでした。長年開催してきた私のセミナーは、ほとんどが看護職か、あるいは看護師が2/3、福祉職・介護職が1/3で、今までとは専門職種が逆転しました。その理由として、34年前から介護現場で、認知症高齢者にアロマセラピーを導入することに取り組みはじめて、本を書いたり、発表している経緯があるからだと思います。

 

私がアロマを通じて皆さんに伝えたいことは、「優しさのあるアロマセラピー」を感じとっていただくことです。

 

午前は座学の講義で、看護・介護ケアにおけるアロマセラピーの基本を学び、事例を紹介しました。

午後は実技で、患者や高齢者へのハンドトリートメントと拘縮患者へのハンドトリートメント、その次に足部のアロマトリートメントを行いました。健康な方に対する施術と患者や高齢者に対する施術とでは、配慮や施術方法など全くと言っていいほど違いがあります。エステではなくメディカルアロマであり、患者一人一人の症状に合わせて施術をしていくことが重要になります。

 

セミナー終了後、何人かの受講生からお話を受けた中で嬉しかったことの一つに、私のセミナーを複数回うけて下さっている方からのお話でした。「所澤先生から拘縮の施術を教わって、長年、手が拘縮している方に施術をしたら、本当に拘縮が改善して、手や指がゆるんで広がったの。」と。この体験談は嬉しかったですね。本当に、長年の手の拘縮は、ゆるむのです。この施術には、コツがありますし、私の講義を聞くことで拘縮に対する考え方が変わると思います。まずは、患者さんや高齢者の方の心身の緊張を和らげることから始めます。

アロマセラピー専門書を共著で出版しました

書籍名「アロマセラピー学」

塩田清二監修 悠光堂http://youkoodoo.co.jp/books/ 

20175月出版

 

アロマセラピーの専門家が、

アロマセラピーについて分かりやすく説明しています。

その中で、私は、

「福祉・介護現場におけるアロマセラピーの現状と可能性」

について書いています。

要旨の部分を“ちょっと見”して下さい。



要旨

わが国の高齢化は急速に進み、全国各自治体で2025年問題の取り組みが始められている。今後、福祉・介護現場における介護職には、重責ともいえる役割と期待がのしかかり、介護職のストレスは計り知れない。介護現場におけるアロマセラピーの現状は、芳香浴、クラフト作りや手足のアロマトリートメントが取り入れられている。が、働いている介護職が行うのではなく、ボランティアや外部のサービス業者が高齢者施設に参入して行っている状況がほとんどである。本来、アロマセラピーは芳香療法であり、アロマトリートメントを行う人と受ける人が同時に香りによるリラックス効果などの恩恵を受ける。今後はこの恩恵を介護現場では、介護職が利用者にアロマトリートメントを行うことで受けてほしい。施術により症状が和らぎ利用者のADL(Activities of Daily Life)が拡大し、QOL(Quality of Life)が向上することは、利用者の生きがいにつながると同時に介護職の仕事のやりがいにつながり、ひいては介護職の退職を減らす可能性を秘めたアロマケアになり得ると考える。



ケアに役立つ高齢者および認知症高齢者へのアロマセラピー セミナーのご案内

臨床現場や介護現場ですぐ役立つように、

 

症状のある患者さんや高齢者の方に心をこめて気持ち良さを伝えるアロママッサージを行うために何が必要であるのかを

所澤いづみが丁寧にお伝えします。

 

さらに、実際にどのようにすることで心が通い合う施術ができるか、そのコツを学びます。

 

ご興味のある方は、下記にご連絡下さい。どうぞ、いらして下さいね。

 

講師  所澤 いづみ

内容  1.看護・介護ケアにおけるアロマセラピーの基本を学ぶ

    2.事例紹介

    3.相モデルで実技;

①一般的なハンドマッサージ

②拘縮がある高齢者へのハンドマッサージ

③椅子や車いすに座った方へのフットマッサージ

 

日程  2017617日 10301630

受講料 12,000

会場  林野会館 東京都文京区大塚3-28-7 

対象  看護職、介護職 どなたでも受講可能

主催  (株)コメディカルアカデミー 募集・運営代行 お茶の水ケアサービス学院

TEL03-3863-4000

http://www.o-careservice.com/

患者さんへのアロマトリートメントは質の高い精油を!

アロマセラピストは、


アロマテラピートリートメント(アロママッサージ)をする時は、

植物油(ベースオイル)の中に精油(エッセンシャルオイル)を混和して

ブレンドオイルを作り、

患者さんの皮膚に塗布してアロママッサージをします。

 

施術を受ける患者さんは、

使用される精油が、植物の花・葉・種子・果皮・幹などから抽出された

 

100%天然の精油であるのか、

 

あるいは不純物が混ざっている粗悪な精油を使っているのか 

 

ほとんどの患者さんが分からないでしょう。


また、アロマセラピストが、患者さんに使用する精油を“この香りいかがですか?”と、匂いを嗅いでもらうことがあっても、

最終的に、どのような精油を選択し、何種類ブレンドするかは、
セラピストの判断になります。

 

特に、

医療で使い症状のある患者さんへの施術で使用する精油は、

100%の精油成分分析している精油会社の精油を購入しましょう。

 

質の高い精油の香りは、とても良い素敵な香りが漂います。

この香りは、患者さんと同様に

施術をするセラピスト自身をも癒してくれます。

 

「匂いは、ダイレクトに脳に働きかけます」

 

匂いの芳香分子は、鼻腔から入り、嗅細胞がある嗅粘膜から嗅神経を通り、

大脳辺縁系に入り、大脳皮質で「匂い」として認識されます。

 

100% 天然の精油をセラピストが使用することは、

精油のもつ効果が、

患者さんと同時にセラピストへも影響を及ぼすのです。

 

医療で使う、

患者さんの施術に100%天然の精油を使用することは、

患者さんを大切に思う気持ちにもつながるのです。