Latest Entries

認知症デイサービスで導入したアロマケア

認知症デイサービスで導入したアロマケア

   

私は、認知症デイサービスでアロマセラピーを介護ケアとして導入しました。

 

導入した目的は、認知症デイサービスにおいてケアワーカーや看護師が、精油などの知識を学び、

手足の施術手技を学んだ上で、認知症高齢者に対し、

手や足のアロマトリートメンを行うことです。

 

日頃からケアしている介護スタッフがアロマケアを行うことで、

より深いコミュニケーションと信頼関係を築き、

さらに、手足の循環改善と筋緊張を和らげることで

転倒予防につながるケアとなることが考えられます。

 

この新たなアロマケアにより、利用者、ケアワーカーや看護師、みんなの笑顔が増え、楽しいひとときがもてるようになりました。

 

ご家族様からの連絡ノートに、

“主人がアロマを楽しみにしています。

そのことをニコニコしながら話してくれました・・”など、

 

はじめ施術を受けることを遠慮していた利用者やご家族も、施術回数を重ねていくことで、

感謝の言葉が連絡帳に記されていることが多くなりました。

 

さらに、ケアワーカーは、利用者とコミュニケーションを持ちたいと思う時に、

手や足のアロマトリートメントを率先して行うようになりました。

 

優しい気持ちで行うアロマトリートメントを拒否する認知症高齢者はほとんどいません。

それは、日頃からケアしている慣れた関係性があるからと言うことと、優しさのあるアロマトリートメントだからです。

優しく触れるケアは、受ける側もする側もリラックスして、心身の緊張がゆるんでいきます。

 

しかし、導入に至るまでには学びが重要です。

そのために私は、認知症デイサービスで週1回看護師として勤務して、ケアワーカーや看護師に精油などの座学の学びと手足のアロマトリートメントの手技などを一人6回指導しました。

 

アロマ導入に対し、全員の介護福祉士と看護師が前向きに、“学びたい”との気持ちがあったので、スムーズに学びに至りました。

 

私は、看護師として19か月認知症デイサービスで勤務し、アロマセラピーを介護ケアの1つとして導入する目的を果たしたので、20181月末で退職しました。

 

認知症デイサービスでのアロマセラピーを通じた認知症高齢者とのふれあいと関りは、とっても楽しかったです。笑顔と笑いが絶えず、とってもかけがえのない人生の思い出となりました。

介護スタッフの皆様に感謝しています。

 

さて、私には次の目的があります。

それは、認知症高齢者のデイサービス、グループホームや施設に勤務しているケアワーカーの介護スタッフの方々に介護ケアとしてのアロマセラピーを指導し、導入することです。

 

認知症の方は、とても繊細で、様々なことを本当は理解しています。が、短期記憶障害が病状的にあるので、すぐ忘れてしまうのです。また、様々な周辺症状も、その人なりの理由が必ずあるのです。人格を尊重して関わることが最も重要です。

 

*私は、父が脳血管性認知症、母がアルツハイマー型認知症で亡くなりました。10年間介護しましたし、亡くなるまでアロマトリートメントができたことは、両親も私も幸せでした。

 

認知症高齢者の方を介護者の方が虐待してほしくないのです。その予防のために、アロマセラピーは、貢献できると思います。

一緒に取り組みましょう!!

アロマの関りで笑顔になった認知症高齢者

アロマの関りで笑顔になった認知症高齢者

    ~認知症デイサービス編~

 

 

認知症デイサービスを利用している70歳代女性Yさんの

お話です。

Yさんは、デイサービスに来ると、

いつも室内を動き回っていることが多い方です。

 

Yさんは、細かなことに気がつく主婦であったのか、

デイサービスの洗面所が濡れていると、

置いてある布巾で何度も何度も拭いてくれます。

 

しかし、きれいになっていないことがあり、

Yさんなりの拭き方があるのかな?と思います。

 

動き回る時、ときどき独り言を言いながら、

テーブルにある小さなゴミを拾ったり、

幻視があるのか、何もないのに何かを拾う動作も

よく見られます。

このような動きをずっと続けていますが、

人に危害を加えることもないので、

声をかけながら見守りをしています。

 

しかし、休まず落ち着きもなく動き回ることで

Yさんは疲れてしまい、時折、身体が極度の緊張状態になり、

顔の表情が硬くなることが分かりました。

このような時は、食欲もなくなるのです。

 

午前中に動き過ぎている日は、午後に看護師やケアワーカー

が、手か足のアロマトリートメントを行うようにしました。

 

施術をするようになってから、椅子に座って色紙などを

さわり落ち着いて手仕事をしたりすることができるように

なってきました。

 

施術を拒否することはなく、気持ちがよいと感じているので

はないかと思います。

 

ある時、ソファに座ってもらい、足部~ふくらはぎまで

アロマトリートメントを行っていると、

 

Yさんは、途中で大きな深い呼吸をしながら「私もうダメ」

と言って、自らソファに横になり眠り始めました。

 

ぐっすり1時間近く眠り、

ケアワーカーがおやつの時間だからと起こすと、

Yさんの顔はすっきりとして、

緊張がほどけたような穏やかな表情になっていました。

 

アロマトリートメントを受けるようになって変化したこと

は、室内徘徊の動きが少なくなり、

椅子に座っている時間がもてるようになりました。

 

また、声をかけると、

Yさんなりの考えで返答してくれるようになり、

会話が成立するようになりました。

 

私は朝、「Yさん元気?」と声をかけ、

ニコっとした笑顔で「元気よ!」と静かに答えてくれる

Yさんの顔をみることが、とっても楽しみです。

 

「うれしいねぇ~」 ~認知症デイサービス編 ①~


認知症デイサービスに看護師として週1回勤務して、

ケアワーカーさんにオイルのこと、手や足の施術の手技を指導して、

共に利用者の方々に施術をしています。

 

89歳 認知症のHさん(女性)の話です。

Hさんは、腰も曲がっておらず、杖もつかずにしっかり歩いています。

昼食後は、ソファに座り、居眠りをすることが多いです。

 

昼食後、ソファに座っているHさんを見ると、まだ起きていました。

“足のマッサージしましょう?”と、声をかけると、ニコニコして、

“やんなくていいよ!

マッサージなんて、1回もやってもらったことないからね” と。

(実際は、10回以上、デイで行っていますが忘れています)

 

“きれいになるからやりましょう”  と私が言うと、

“そぉう?  私なんか、きれいになんかならないよ”  と。

“そんなことないよ、きれいいなるよ”  と、マッサージの準備をしながら

誘導をしていきました。

 

足部~ふくらはぎのアロマトリートメントを行い、

足の指の動きも柔らかく動き、皮膚もきれいになったので、

 

Hさん、足がすごく柔らかいし、きれいだね”  と言うと、

“そお?  そんなことないよ、年だから汚い足だよ”  とニコニコ顔。

“本当に、きれいだよ、

見て このきれいで、柔らかい足!” と、足を見せながら言うと、

 

“やだ~ そんなこと言ってくれるの、あんたしかいないよ。うれしいねぇ~” とニコニコ顔(*^_^*)。

 

こんな、やり取りをしながら、ニコニコしている顔のHさんを見ていると、

施術をした私がすごくうれしくて、楽しくなり、癒される ひと時です。

 

次の瞬間には、足のアロマトリートメントを受けたことを忘れてしまうのですが、

子どものようなHさんの表情が、何とも言えず可愛らしいです。

                                          介護アロマ 2017-11

【在宅での看取り】  最期まで残される妻に思いをかけていた夫

患者:73歳 男性I

病名:前立腺がん末期、転移性多発性骨腫瘍

症状:三又神経痛と左顔面麻痺。左顔面しびれ、左耳難聴、

        左眼奥の疼痛と視力障害、左嗅覚障害、左側嚥下障害

家族:妻と2人暮らし

施術期間:初回施術~他界まで、80日間で7回施術

 

初回訪問時、I氏は病院で受けた抗がん剤の副作用で苦しんできたことを語った。

 

その症状は、三又神経痛による左顔面の疼痛、

とくに左眼の奥の痛みと痺れがつらく、  

さらに、左顔面麻痺で左眼視力はなし、

左耳難聴、左側嚥下障害でよだれが出てしまうことなどであった。

 

抗癌剤の治療効果が望めず、副作用で苦しんでいる現状があったからこそ、

在宅診療を希望し、住み慣れた我が家で妻との生活を選択された。

訪問診療医による往診、訪問看護、訪問アロマとして所澤がチームに入った。

 

初回のメディカルアロマトリートメントは、

首~肩の筋緊張がつらいこともあり、

仰臥位で頭皮⇒顔⇒首~肩部とデコルテを行った。

 

I氏は「よかったよ!」と。

施術後、Iさんは菓子とお茶を飲みながら病気のドラマを多弁に話していた。

 

2回目の施術も希望され、腰痛があり、右側臥位で背中と下肢のだるさがあり

下肢の施術も1回目の施術に追加した。

 

3回目の施術前に、「2回目のマッサージは身体が治った感覚があって、

1回目の感覚とは違っていたよ。」と。

施術後、「良くなったよ。23か月(命が)もつかな?」と、突然聞かれた。

私は“大丈夫と思いますよ”と、Iさんと妻のユーモアのある楽しい会話を聞いて

返答をしたほどであった。

 

Iさんは、左眼奥の疼痛や左眼周囲の浮腫みで、

左右の眼の大きさが異なり、顔もゆがんでいた。

 

施術後に妻は、「曲がった顔がよくなって、両眼の左右差がなく、

はっきり眼がして、すっきりした表情だね」と、ニコニコして言っていた。

 

驚いたことがあった。

 

亡くなる16日前の訪問時、庭に45Lの大きなゴミ袋が8袋置いてあり、

誰が樹を切ったのですか?とお尋ねすると、

 

Iさんは「私が亡くなると妻は庭の大きな木を切ることができないから、

お隣に迷惑がかかるといけないから切ったんだ!」と言われた。

 

亡くなる前に、大きな樹木をのこぎりで切ったIさん。

 

残される妻に対する思いやりが素敵!

 

Iさんは自分の人生をしっかり見つめている人であると思った。

最期の時まで、妻を気づかい、できる限りのことを行って旅立ったIさんでした。


終末期の乳がん患者へのアロマ施術と              家族への香りのグリーフケア


終末期の乳がん患者58
歳のTさんは、

在宅での看取りを選択しました。

 

と言うのは、病院で抗ガン治療を受けましたが、

その治療効果は期待の反対であったからです。

 

Tさんのご家族は、ご主人と息子2人の4人家族です。

 

Tさんは、信頼している訪問看護ステーションの所長から

私の存在を聞き、施術を受けたいと希望されました。

 

Tさんの病状は、既に骨・肺・肝臓に転移があり、

死が間近にある状態で、

胸水と腹水の貯留、両下肢に軽度の浮腫がありました。

 

日常生活動作(ADL)は、何とかトイレに行けている状態でした。

 

20177月、初回訪問時の施術は、症状を加味して

セミファーラー位(やや上半身のベッドをあげた状態)で、

頭皮・デコルテ、両肩部、腹部と両下肢の施術をしました。

 

Tさんは、はっきりした性格で、

施術後に

「こんなに気持ちよくて楽になるの!17万円の抗癌剤よりいいわ」

と言い、週1回の施術を希望されました。

 

施術2回目、3回目と徐々に状態は悪化していきました。

 

施術3回目の時に、

Tさんは、「昨日が私の命日だと思ったの。それほど具合が悪かったの・・」と。施術が終わると、「落ち着いた、元気になった!」と、表情も明るくなり、

活気がもどり、よく話すようになりました。

 

しかし、病状は刻々と死が迫ってきていることがうかがえました。

少しでも施術を受けて、心身の緊張が和らぎ、

Tさんらしい最期の時を家族とともに過ごしてほしいと思いました。

 

Tさんの最期は、家族に見守られ、

苦痛もさほどなく穏やかに亡くなられました。

施術4回目予定日の2日前でした。

 

亡くなられた日に弔問にうかがいました。

Tさんはとっても小さくなっており、

お話をして下さったことが懐かしく思い出されました。

 

私は、施術をさせていただいた香りを

ご主人、特に2人の息子さんに香っていただきたいと思い、

ご主人にTさんのハンカチをもってきていただき、

真正ラベンダーとオレンジの精油をそのハンカチに垂らし、

ご主人に、「Tさんが好きだった香りで、

この香りでマッサージをさせて頂きました。」、と言って手渡しました。

 

ご主人は、ハンカチの香りを嗅ぎ、「いい香り」と言われた後、息子さん2人に香りの説明をして手渡しました。

 

息子さん達が、その香りを鼻元でていねいにじっくりとかいでいる姿は、

母親がこの香りでマッサージを受けたんだな・・と、

感じとるように嗅いでおられ、

その姿を見ていた私が感動を受けたほどでした。

 

香りは脳にダイレクトに働きかけます。

いつかこの香りに再会した時には、

ご家族はTさんのことを回想することでしょう。

ですから香りは、グリーフケアの役割を担うことができるのです。

 

 17年間、アロマの香りとともに、

大切な患者さんの死に出会ってきました。

よい香りは、人と人とを結びつけていくことができるように感じます。

 

2017813日  所澤いづみ